古代医学における伝説上の人物 ④ 僦季貸・岐伯

【興味のある方・学生・治療家向け】 

 私たち鍼灸師が行なっている、 

 「中国医学の歴史」をひもといていくブログです。 

 ちょっと難しめです。でも面白いです。 

 院内教育用ブログも兼ねています。 

 東洋医学出版の「中国医学の歴史」を主な参考文献としています。


 中医学の歴史の中で、歴史上、重要な人物たちがいます。 

 今回は、「古代医学における伝説上の人物 ④」です。 

 古代文献に出てくる人物は、 実在している人物というよりは、伝説に出てくるような、 神様や仙人といった、人離れした超能力を持った人物として描かれています。


 今日は、

僦季貸(しゅうきたい)

岐伯(きはく)

とういう、黄帝(こうてい)に仕えた人物を見ていきたいと思います。 


僦季貸(しゅうきたい)は、黄帝と同時代の人で、

岐伯の師であり、

特に望診と脈診に秀でていたと伝えられており、

「黄帝内経」素問には、

「上古、僦季貸をして色脈(望診と脈診)を理め、神明(全てを見通す力)に通ぜしむ」

とあります。


岐伯は、黄帝の臣下ではありましたが、

侍医の立場もあり、

黄帝から天師との尊称を授かっています。

黄帝が岐伯に質問し、岐伯がこれに答える形式で著されたのが、

「黄帝内経」であり、

「岐黄の術」とは、後世の人々にとって、

中医学そのものを意味するようになりました。

黄帝と岐伯は、まさに中医学の始祖であるということができます。


 次回は「古代医学における伝説上の人物 ⑤」です。

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