【興味のある方・学生・治療家向け】
私たち鍼灸師が行なっている、
「中国医学の歴史」をひもといていくブログです。
ちょっと難しめです。でも面白いです。
院内教育用ブログも兼ねています。
東洋医学出版の「中国医学の歴史」を主な参考文献としています。
中医学の歴史の中で、歴史上、重要な人物たちがいます。
今回は、「古代医学における伝説上の人物 ⑤」です。
古代文献に出てくる人物は、
実在している人物というよりは、
伝説に出てくるような、
神様や仙人といった、
人離れした超能力を持った人物として描かれています。
今日は、 雷公(らいこう) 桐君(どうくん) とういう、
黄帝(こうてい)に仕えた人物たちを見ていきたいと思います。
雷公(らいこう)は、黄帝の臣下の一人で、
鍼術に優れていたといわれています。
黄帝と雷公による医薬をめぐっての論談が中医学の始まりとなった、
という説もあります。
黄帝内経「素問」の諸論篇のうち、
著至経論・示從容論・疏五過論などの各篇は、
いずれも、
黄帝と雷公との医薬に関する問答となっています。
桐君(どうくん)もまた黄帝の臣下で、
薬物の採取の任されていました。
彼は「桐君採薬録」という書を著したとされていますが、
原著は散逸してしまって、今には伝わっていません。
以上、「古代医学における伝説上の人物」シリーズで述べてきた人達は、
上古の医学における伝説上の人物たちです。
後の世の人々によって、かなり美化された人物像にはなっていますが、
彼らは、正に、
中医学の基礎を築いた人達なのです。
次回からは、
次の時代、「夏〜春秋時代」の中医学について見ていこうと思います。
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