原始時代の医療 外治法のルーツ①

【興味のある方・学生・治療家向け】

私たち鍼灸師が行なっている、

「中国医学の歴史」をひもといていくブログです。

ちょっと難しめです。

でも面白いです。

院内教育用ブログも兼ねています。

東洋医学出版の「中国医学の歴史」を主な参考文献としています。

今回は「外治法のルーツ①」についてです。


原始時代の医療(太古〜紀元前2100年くらい)


外治法のルーツ①

外治法とは、体の外側からの刺激により、治癒を行う治療行為のことです。按摩・マッサージや鍼、灸など、近年では放射線治療なども外治法とされていたりします。

原始時代の外治法は大きく分けると6つほどの方法が見られます。

今日は、そのうちの3つを見ていきます。


「原始按摩法」

原始人たちは、転んだり、狩で怪我をしたりした時に、患部を自分たちの手でなでたり、こすったりすることで、痛みがやわらぐ事に気付きます。この簡単な「手当て」が、外傷による瘀血を散らし、腫れをひかせ、痛みをやわらげていたのです。原始人たちにとっては、大切な治療法でした。この治療法が、のちに、按摩術、推拿(すいな)術、マッサージなどに発展していきます。


「原始止血法」

原始人たちは、切り傷や、すり傷によって、出血した時に、手や指で局所を圧迫したり、泥や草や木の葉などで傷口を覆い、あるいは塗りつけたりしているうちに、ある種の植物の葉には、止血作用、消炎作用がある事に気付きます。彼らは、それらの植物を使い、傷口の止血をしていたようです。


「原始熱熨法」

「熱熨法(ねついほう)」とは、現在の温罨法(おんあんぽう)といわれる療法にあたります。火を利用し始めた原始人たちは、その過程で、温まった石を身体の各部に当てると気持ちよく、ある種の疾患に効果がある事を発見しました。この事が「熱熨法」のルーツとされています。


次回は、原始時代の医療 「外治法のルーツ②」についてです。

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