今回は、鍼灸の医療事故に多い「気胸」について、
お話ししていきたいと思います。
「気胸」とは、肺に穴が開くことです。
怖いですね。
鍼の医療事故で、怖くて、多い医療事故です。
どんなことで起こるかというと、
肩周り、特に、首のつけねあたりに鍼を深くさすと、
肺に刺さり、「気胸」になります。
首のつけねのすぐ下に、肺のせんたん「肺先」があるので、
特に、筋肉のない、やせ形の女性は要注意です。
肺に穴が空いて「気胸」になると、
何もしていなくても、100メートルを全力で走った時のように、
ゼーゼーと息が苦しくなります。
即、救急車を呼ぶことになります。
首のつけねは、コリやすい場所でもあるので、
鍼をうちたくなります。
しかし、深さを間違えると、大変なことになります。
また、鍼をうって、
15分くらい刺したままにしておく「置鍼」
という施術方法があります。
この「置鍼」をしているうちに、
鍼が、体の呼吸の動きにあわせて、
深く入っていってしまうことがあります。
この「置鍼」が原因で、「気胸」になるケースが多くあります。
当院では、「気胸」をおこさないために、
首のつけねには、「即刺即抜」という方法で、施術を行なっています。
浅く刺して、すぐに抜く。
首のつけねは、「即刺即抜」でも十分効果があります。
「気胸」は正しい知識と、正しい技術があれば、起こり得ない医療事故です。
我々鍼灸師は、常に、正しい心がまえが必要なのです。
次回は、「折鍼」についてお話ししていきたいと思います。
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