鍼灸の医療事故について ②(気胸)

今回は、鍼灸の医療事故に多い「気胸」について、

お話ししていきたいと思います。


「気胸」とは、肺に穴が開くことです。

怖いですね。


鍼の医療事故で、怖くて、多い医療事故です。


どんなことで起こるかというと、

肩周り、特に、首のつけねあたりに鍼を深くさすと、

肺に刺さり、「気胸」になります。

首のつけねのすぐ下に、肺のせんたん「肺先」があるので、

特に、筋肉のない、やせ形の女性は要注意です。


肺に穴が空いて「気胸」になると、

何もしていなくても、100メートルを全力で走った時のように、

ゼーゼーと息が苦しくなります。

即、救急車を呼ぶことになります。


首のつけねは、コリやすい場所でもあるので、

鍼をうちたくなります。

しかし、深さを間違えると、大変なことになります。

また、鍼をうって、

15分くらい刺したままにしておく「置鍼」

という施術方法があります。

この「置鍼」をしているうちに、

鍼が、体の呼吸の動きにあわせて、

深く入っていってしまうことがあります。

この「置鍼」が原因で、「気胸」になるケースが多くあります。


当院では、「気胸」をおこさないために、

首のつけねには、「即刺即抜」という方法で、施術を行なっています。

浅く刺して、すぐに抜く。

首のつけねは、「即刺即抜」でも十分効果があります。


「気胸」は正しい知識と、正しい技術があれば、起こり得ない医療事故です。

我々鍼灸師は、常に、正しい心がまえが必要なのです。


次回は、「折鍼」についてお話ししていきたいと思います。

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